タイニーハウスワークショップの参加者・関係者のみなさんへ
2020年も残るところ僅かとなりました。ワークショップに参加されている方、関係者のみなさんには連絡が遅くなり申し訳ありませんでした。ワークショップを開始して2ヶ月後、コロナの影響が拡大していることを理由にワークショップの中断をしました。中断から今までの経緯を正直にお話しして、来年の再開を迎えたいと思っています。長文になりそうですが、少しだけお付き合いください。
今年のはなし
2019年の年末、1年半かけて製作したタイニーハウス5台全てがビレッジに運び込まれ、先に完成していたセンターハウスと共にクルックフィールズに新しい空間が生まれました。長年夢見てきたビレッジの姿が目の前に現われて「やっぱりいいな〜、これだな〜」と気持ちが高揚していたのが、ちょうど1年前。1月から始まるワークショップで色々な人とこのビレッジにもう1台のタイニーハウスをつくることにワクワクしていました。
1月にみなさんと集まった時、今回もとても面白いメンバーだからきっと楽しい時間と素敵な6個目のタイニーハウスができると感じていました。2週目になるとより具体的な動きの中で、タイニーハウスができていくイメージがしっかりと見えてくるようになっていました。けれど、その頃から少しずつコロナウィルスの感染者数が増えていくようになり、急遽中断を決意。みなさんの意見を聞かせてもらったり、再開を検討したり、顔を思い浮かべながらコロナの状況を見てワークショップの再開を待つ日々が始まりました。
クルックフィールズもまた本格的なスタートができず、スタッフのみなさんも色々と知恵を出し合って、この想定外の問題に対応しようと頑張っていました。いつこの混乱が終わるか分からない状況の中で、製作途中のタイニーハウスはツリーヘッズで完成させ、クルックフィールズが本格的に再開した時にはビレッジがフル稼働できるようにした方が良いだろうと思い、みなさんに相談させていただきました。結果、少人数の職人たちによって6台目のタイニーハウスを先月完成させました。
今まで当たり前だったことが、当たり前でなくなる。人と人が分断されると、こんなにまで人類はうろたえてしまう。もろに打撃を食らって苦しい思いをしている人もいれば、逆の流れで絶好調な人もいる。健康な人もいれば、心配で心が疲れてしまう人もいる。この人たちが直接の友達同士だったらきっと助け合えるのに、と思ったりしていました。そんな小さなコミュニティをつくってみたい、そう思うようになりました。
HOMEMADE VILLAGE
ちょうど(と言っていいのか)コロナで売上が立たなかったので金融機関の融資を受けることができるという話と、なんとなく地続きの場所が売地になったことで、現実にコミュニティをつくろうと頭の中のイメージを紙に描き始めました。タイニーハウスのプライベート空間とインフラを整えたコモン(共有)空間。なんとなく実現できそうなタイニーハウスコミュニティが紙の上に現われて、モヤモヤしていた気分から少しずつ前向きなイメージが持てるように変化しました。図面を描いてもらって(自分ではできないもので)見積を集めて、具体的にスケジュールなども考えていました。ワークショップでタイニーハウスをつくって、興味ある人が集まれる場所になったらいいな。土地を買い、抜根整地をしてみたけれど、具体化していく中でまたモヤモヤ病に。なんのためのコミュニティなんだっけ。
ツリーヘッズの創業は2010年、今年は創業10周年の年でした。今までに26箇所のツリーハウス、21台のタイニーハウス、7つのモバイルハウス、9つのトレーラをつくってきました。この10年は素晴らしい出会いのおかげでたくさんのプロジェクトに参加することができました。仲間が仲間を呼び、お客さんがお客さんを呼び、毎回全力でものづくりをしていたらいつの間にか10年経ってしまっていた、という感じ。今回の急ブレーキによって、今までを振り返ることと将来像をアップデートする機会が得られたのも不思議な奇跡だったのかもしれません。
正直コロナの状況を見すぎていたせいか、精神的にも上がったり下がったり。ようやく最近になってモヤモヤの正体が見えてきたような気がしています。少し前にイメージしていたビレッジには人の営みを感じない、絵に描いた餅のようだな、と。ビレッジには人の気配があってこそ生き生きしてくるのではないか。どこかから持ってきたものを並べるのではなく、自分たち自身が小さなコミュニティの種をつくり育てなければ、現実的なコミュニティはつくれないのではないか、もしくは育てることができないのではないかという考えに至っています。
2021年はワークショップも再開しますが、同時にインターンシップ制度も開始して、このビレッジに今後も関わってくれる人たちを増やして、その人たちと一緒に新しいムラづくりにチャレンジしてみようと思います。モノづくりの10年から物語づくりの10年へ。集まってきた仲間たちの個性が良いバランスで繋がりあう場所としてのタイニーハウスコミュニティは、時間をかけてじっくり育てる必要がありそうです。ワークショップで製作したタイニーハウスは今後インターンの住居や興味ある人の宿泊など、コミュニティの中で生活可能な空間として活用するイメージです。
Tiny House Workshop 2021
まずは、2020年1月にご縁があって集まったタイニーハウスワークショップの参加者・関係者のみなさん、来年3月より気持ちを新たにしてワークショップを開催することをお知らせします。
ただし、去年の今と1年後の今ではみなさんの置かれている状況やモチベーションは大きく変化しているのではないかと思います。ここで一度前回のワークショップは終了とし、もう一度集まってタイニーハウスを1からつくってみたい、と引き続き思ってくださる方は優先的に、ちょっと状況が変わってしまって来年のワークショップに参加するのは難しいという場合は遠慮なくお知らせください。個別でご連絡をいただければ対応させていただきます。全額返金もしくは一部返金などみなさんのお気持ちに添えるようにいたします。また、スタッフとして関わってくださっていたみなさんも開催場所の変更などで、今後の関わりが難しい場合もあると思います。こちらも個別に対応しますので、相談させてください。
以下、現時点での開催概要です。コロナの状況により変更する場合があります。予めご了承ください。
開催概要
目 的:タイニーハウス制作のための基礎知識と技術の習得
会 場:TREE HEADS & CO.
住 所:山梨県北杜市大泉町西井出8240-2717
主 催:株式会社 ツリーヘッズ
スケジュール:
3/27 (実技1)大工道具の使い方
3/28 (実技2)トレーラと床
4/24 (実技3)壁と屋根
4/25 (実技4)壁と屋根
5/22 (座学1)住宅とエネルギー 竹内 昌義
5/23 (実技5)断熱と建具
6/19 (実技6)外壁と屋根仕上げ
6/20 (実技7)外壁と屋根仕上げ
7/17 (座学2)循環する場づくり 四井 真治
7/18 (実技8)外装と内装
8/14 (実技9)内装と造作
8/15 (実技10)タイニーハウス完成
※ゲスト講師のスケジュールは仮に入れてあります。
時 間:
1日目 – 13:00〜17:00
2日目 – 09:00〜14:00(うち1時間は昼食)
宿 泊:各自手配(近所の宿泊施設に協力要請中)
食 事:初日夕食・2日目昼食はツリーヘッズで、
2日目朝食は各自宿泊場所で食べる予定
交 通:駅・高速バス停まではお迎えに行きます。
もしくは自家用車で。
その他詳細は今後発表します。分からないことなどあれば直接ご連絡ください。
お手数ですが、このスケジュールと内容で参加可能かお知らせください。スタッフ・関係者のみなさんもご連絡お願いします。
最後に、まだまだコロナの収束が見えない中での再開に関して色々なご意見があると思います。ぜひ遠慮なくみなさんの正直な気持ちをお知らせいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。
Tree Heads & Co. 竹内友一